「自分は社会の被害者」という危険な思い込み
昨今、氷河期世代による凶悪犯罪の報道が目立ってきたことは、皆さんも感じているところと思います。
犯人の多くは無職、もしくは不安定な働き方をしており、困窮していて人間関係は希薄。孤独の中で思い込みを強固にしている人たちです。
「誰でもよかった」「幸せそうな人を狙った」「たくさん殺せば死刑になれると思った」といった犯人たちの言葉からは、「自分を受け入れてくれない社会ならば、死ぬ前にめちゃくちゃに壊してやる」といった、増幅された恨みを感じます。
就職難、非正規雇用の拡大という厳しい社会的、経済的状況の中で、自己効力感を失い、自尊心を大きく破損し、「自分は恵まれない社会の被害者だ」という意識を極限まで膨らませた結果といえるでしょう。
「社会を恨む人」「突破する人」何が違うのか
しかし、凶悪犯罪を起こす人物はきわめて少数です。大多数は、苦闘しながらもこの社会で懸命に生きています。
最初から正社員になれないまま社会人としてスタートしたものの、非正規雇用の形で働きながらスキルや資格を身に付け、実績を積んで希望する会社へ中途入社した人。
また、一流企業には入ることができず、比較的不遇な待遇で働きながらも、経験を積んで自ら起業した人。
このような人々も、現実にたくさん存在しています。
「社会を恨む人」と「突破する人」──同じ時代を生きてくる中で、二者の違いはどこにあるのでしょうか?