自分のコントロール範囲に意識を向ける

名著『7つの習慣』で、著者のスティーブン・コヴィー博士は、私たちが持つ多くの関心ごとの範囲を「関心の輪」、そのうち自分がコントロールできる範囲を「影響の輪」と分類しました。

つまり、関心の輪の中に影響の輪が内包されているわけです。

自分でコントロールできる影響の輪の大きさに対して、コントロールできない関心の輪が大きくなりすぎると、人は不幸になります。なぜなら、自分が影響を与えられる範囲、コントロールできる範囲がきわめて小さく感じられて、無力感に陥ったり、自尊心が損なわれて怒りを抱いたりするからです。

逆に、関心の輪に対して影響の輪が大きくなるほど、幸福度は高くなります。「影響の輪が大きい」というのは、そこに自分の意識が集中できている状態を指します。常に自分ができることを発見し、そこに働きかけていると、人生をコントロールしている実感が得られるようになるのです。

「自分でコントロールできている実感」はあるか

この「自分でコントロールできている実感」は、仕事の満足度に最も影響するといわれています。「影響の輪」に意識を集中することは、人生を大きく変える重要なポイントなのです。

つまり、「社会を恨む人」になるか「突破する人」になるかは、「影響の輪」へ集中できるかどうか、ブレインロックが外せるかどうかがカギを握ると私は考えています。

「影響の輪」の外で、なにかしらデメリットになる出来事にさらされたとき、「自分はどうすれば少しでも有利な状況になれるのか」「ほかにどんな方法があるか」「何か抜け道はないか」といったことを考え続けることができるかどうか。これが、大きな分かれ道になります。

そして、新たな道を見つけることができたならば、次に「自分には難しいことはできない」「新しい場所、新しい業界は危険」「上司が年下なんてかっこ悪い」などといった無意識に持っているブレインロックを外し、前向きに飛び込んでいけるかどうかが大事なポイントとなります。