「恨む人」を捨て、「改善する人」へ
こうした小さな小さな改善を、私は「0.2%改善」と呼んでいます。ほんのわずかでも、改善を繰り返しているうちに、徐々に変わらないと思っていた現実を変えていくことができるでしょう。
そして、残業時間削減であれば、あるときふと、「なんだ……働く時間を減らしてもたいしたことは起こらないじゃないか」と気がつくようになります。それどころか、新しいテクノロジーを導入したことでスキルは上がり、業務は効率化されて、より高次な仕事にリソースが使えるようになっているでしょう。
そのころには、「長時間労働こそ善」というブレインロックも、すっかり外れているはずです。会社への不平不満、愚痴をただただ言い続けるだけの「恨む人」にもならずにすむでしょう。
「新しいもの」に便乗して突破する
新しいテクノロジー、新しい仕組み、新しい世代の邪魔をしないこともたいへん重要です。
日本の総人口のうち、約15%を占めるといわれる氷河期世代は、会社ではマネジメント層、家庭では子育てをしている人も多く、ある意味、社会に与える影響が強い人々だといえます。
そして今、世界は歴史上類を見ないほどの早いスピードで変化しています。氷河期世代よりも下の「デジタルネイティブ」たちが、今後は思いもよらない発想で新しい世界を生み出していくことは間違いありません。新しい技術、新しいお金儲けの仕組みもどんどん生まれていくことでしょう。
そのときに「前例がない」「やったことがないからリスクが高い」といったブレインロックで、妨害をしないことです。共に手をとって可能性を探ることが大切です。小さい規模で期間限定で始めて様子をみる……といった「影響の輪」の範囲内で、自分も便乗していきましょう。
その小さな繰り返しが、たとえば積立投資の複利のようにどんどん膨らんで、「時代に合わせて自分をアップデートさせる」という大きな自己投資につながります。それは、時代の波に便乗して「突破していく人」になるための投資にもなるはずです。