※本稿は、勝間和代『できないのはあなたのせいじゃない』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
真面目に働いても評価されない現実…
誰よりも長時間労働をしたり、皆が嫌がる仕事も率先して引き受けたり……誠実かつ真面目に働いていれば、必ず誰よりも早く出世できるかというと、残念ながらそうとはいい切れないのが現実社会です。
「公正世界仮説」という認知バイアスがあります。
「世の中のすべてはフェアである」と信じる心の癖のことですが、残念ながら、現実世界においては公正でないことは多々あります。正しいことをしていれば最後は必ずむくわれる、悪いことをしたら最後は必ずむくいを受ける、というのは、“ほぼファンタジー”なのです。
企業内の評価においても同じことがいえます。つまり、「誰よりも真面目に働いていれば評価される」という考えは必ずしも正解ではありません。
企業の都合と自分のあり方を重ね合わせる
企業は企業の都合で動いているので、その利害と一致したときに、初めて雇用者を評価します。企業の利益に「雇用者が真面目」という要素が含まれていない場合、もしくはそれ以外の要素の比重が大きい場合には、評価されにくくなります。
ほとんどの民間企業は営利目的ですから、多くの場合、「真面目」の要素はさほど評価に影響しない傾向があるのです。
長時間労働、無遅刻無欠勤で売上100万円の社員と、時間外労働一切なしで時々遅刻や欠勤をする売上200万円の社員がいたら、企業はほとんどの場合で後者を高く評価します。