「子ども家庭庁では子どもたちの意見を聞いてほしい」84.9%
残念ながらというか、当然のことながらというか、「大人たちが考えて、作ってほしい」という回答は全体で12.4%しかありませんでした。反対に「子どもたちの意見も聞いて欲しい」と「大人と子どもが一緒に話しあってつくりたい」を合計すると、全体で84.6%にも達します。
自由回答にも、「なんでも大人たちが勝手に決め過ぎる」という意見や、「子どもたちのために作るなら、子どもたちの意見を聞いてほしい」という意見が多く、いじめに関する法律や制度が、いかに大人の「独り善がり」で作られたものであるかが浮き彫りになった形です。子どもたちが、いじめ防止対策推進防止法の存在すら知らないのも、こうしたところに原因があるのかもしれません。
では、子どもの意見を聞きさえすればいいのかといえば、それもまた違うでしょう。
たとえば文科省が主催している「全国いじめ問題サミット」というイベントがありますが、こうしたイベントで子どもを代表して話をする子どもは、多くの場合、優等生です。いじめられた当事者でもなく、いじめた当事者でもなく、いわば「大人たちが言ってほしいと期待していること」を敏感に察知して、言葉にできる子たちなのです。
これをもって、子どもの意見も聞いたというのであれば、それこそ大人の独り善がりというものでしょう。
子どもは、本当は何に困っているのか、本当は何を解決してほしいのか。本当にそれを知りたかったら、大人たちは問題を抱えていじめをしてしまう子や、いじめ被害に遭った子の言葉にこそ、真摯に耳を傾けるべきではないかと私は思うのです。
今回アンケートを届けた野田大臣には、ブログなどを通じて大臣という重責におられ極めて多忙な中でもお子様との時間を大切にされているところに感銘を受けました。子どもたちの声を政策に生かしていただきたいと期待しています(後編に続く)。