子供がいじめに遭ったとき、学校にはどのように伝えるべきか。NPO法人「プロテクトチルドレン」代表の森田志歩さんは「感情的になると問題を長引かせることになってしまう。いじめを早く解決させたいなら、学校には抗議をするのではなく、理解を求めるようにするといい」という――。
泣いている女の子を励ましている女性
写真=iStock.com/Hakase_
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感情的になると問題は長引く

わが子が学校でいじめに遭ったと聞いて怒りを爆発させ、そのまま学校に乗り込んでしまう保護者の方がたくさんいます。

「学校は責任を取れ、相手の親を呼んで謝罪をさせろ!」というわけです。

自分の子供が傷つけられたら、腹が立つのは当然です。感情的になってしまう気持ちはとてもよく理解できます。でも、こうしたスタートの切り方は、学校や加害者の親との対立に発展し、問題を長引かせてしまうことになります。そこで今回は、わが子がいじめられた時、学校にどのように伝えればスピード解決できるのか、そのコツを伝授したいと思います。

まずやることは、学校に事実関係の確認をお願いすることです。

前回の記事でもお伝えしましたが、いじめの認定には「行為の確認」が必要です。そこで学校の先生に、「子供が○○○○○をされたと言って苦しんでいるのですが、事実関係の確認をお願いできないでしょうか」と依頼します。いったん何があったかを確認して、その事実を関係者の間で共有する。そのうえで、どうするか先生たちと相談しながら進めていくことが基本スタンスになります。

いじめ防止対策推進法には、以下の条文があります。

保護者の責務等
第九条 3 保護者は、国、地方公共団体、学校の設置者及びその設置する学校が講ずるいじめの防止等のための措置に協力するよう努めるものとする。

重要なのは「協力」というひとことです。

いじめ防止対策推進法は、保護者には学校と「協力」していじめを解決する責務があると言っているのです。いじめ解決の責任が学校だけにあるわけでないことを保護者の皆さんに知っていただきたいと思っています。