「北は北海道から南は沖縄まで全国津々浦々に窓口がある。ATMも2万6146台設置されており、勤務先と自宅という日常生活における動線上にアクセスポイントがあるといってもよいのではないか」(同行広報部)
今回の調査は60代の人たちにまで対象を広げている影響も大きい。というのも、もともと旧郵政公社の時代から郵便貯金の口座を年金の振り込みに利用する人が多かったからである。その実数が公表されていた07年度時点での厚生年金などの受取指定口座は925万件。それだけ年配者にとって身近な存在であったわけで、そうしたことも今回の結果に反映されているようだ。
ゆうちょ銀行が高評価を得ているもう一つの理由が手数料の安さである。現在ゆうちょ銀行のATM手数料は、自行のキャッシュカードや通帳で払い戻しをする場合だと、時間帯や曜日に関係なく無料。ATMを利用したゆうちょ銀行の口座間の送金なら、振り込み手数料も無料だ。他行では有料のところが多く、利用者の好感度アップにつながっていよう。
2月8日発表の郵政改革素案では、通常預金、定期預金など合計1000万円の預入限度額について「所要の措置を講じる」とされた。現在、政府内では具体案が検討され、3000万円などの数字も浮上している。
しかし、一方ではゆうちょ銀行に全国一律のユニバーサルサービスの強化も求められており、これから大きなコスト負担を強いられる可能性が高いことも事実。「お客さま重視は変わらない」(同)というものの、郵政改革がゆうちょ銀行のブランド力アップにつながるか注目される。