SNSでは予想外の展開に…
苦労のかいあって、22年4月にシリーズ第2弾、「綾鷹カフェ ほうじ茶ラテ」が発売に。すると、第1弾(抹茶ラテ)の発売後にも見られたように、「一般の方々がSNS上で、ほうじ茶ラテを使ったスイーツレシピなどを呟いてくれるようになりました」と下永さん。
飲料のこうしたアレンジ提案は、当初、日本コカ・コーラとしてまったくイメージしていなかったそうですが、SNSを見て「なるほど」と気づいたとのこと。
そこである時期から、綾鷹としても積極的にレシピ提案を行うようになったそうです。
また下永さんたちは、現代の若者たちを「季節の移ろいをうまく生活に取り入れながら、気分をアゲる世代」だと感じていたそう。
22年2月、綾鷹と「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」が「桜キャンペーン」を実施したのは、そんな若者を意識したからでもありました。
綾鷹カフェでは、限定桜デザインのグッズが当たるなど、季節感と希少性を取り入れたキャンペーンを展開。するとSNSで次々と拡散され、結果的には21年3月、抹茶ラテが発売になった直後と同じぐらい大きな反響があったといいます。
急須で入れたようなお茶のおいしさをどう伝えていくか
一方で、今後の課題の一つと感じているのが、綾鷹ブランド本来の「急須でいれたような」お茶のおいしさを、いかに現代の人々に伝えていくか。
「茶葉が急須の中で、ゆっくりていねいに開いてこそ、緑茶本来の香り立つうま味が味わえる。そうした味わいを楽しめるのが綾鷹で、『急須』はまさに象徴的存在です」と下永さん。
現代は、自宅に急須がない家庭も増えてきましたが、「時代が変わっても、その価値や意義をどう伝えていくか。それがロングセラーブランドや私たちに課せられた、使命であると感じています」