加えて、ロシアの兵器と軍事的コンセプトがアメリカやNATOと比べ「世代的に遅れている」ことが、ロシア軍の不利をいっそう際立たせている。
「ロシアが最終的に敗北するのは時間の問題だ」と、高は言い切る。
「ソ連崩壊後、ロシアは凋落の一途をたどってきたが」、ロシアの支配層はこの流れを変えられなかった。「西側の経済制裁で、今やこの流れが加速している。制裁はロシア経済の多くの部門を痛めつけている。プーチンの指導下で、ロシアは再生し、経済が活気づいたと言われてきたが、それは嘘だ。ただの幻想にすぎない」
今後、ロシアはクリミアと東部ドンバス地方を死守しようとするだろうし、ウクライナは全ての領土の奪還を目指すと予想されるため、戦闘は「激烈を極める」と、高はみる。
「アメリカ、NATO、EUは繰り返しプーチンを敗北させる決意を表明している。つまりロシアが負けて、痛い目にあうまで、戦争は終わらないということだ」
中ロの「限界なき」友好関係の行方は
その結果、旧ソ連圏にとどまらず、さらにその周辺までロシアの「息の掛かった地域」にしようとするプーチンの野望はあえなくついえることになる。
「ウクライナ戦争の敗北で、大ロシア復活の夢は完全に断たれる」そしてウクライナは「偉大なヨーロッパの家族の一員になる」と、高は言う。
高はこの発言で、中国の立場とウクライナ戦争後の中国外交の行方については一切触れていない。
今年2月、北京冬季五輪の開催前に会談した習とプーチンは、中ロの友好関係には「限界がない」と高らかに宣言した。
ロシア軍の侵攻開始からこの11週間、中国は外交面ではロシアを擁護する姿勢を見せつつも、主として口先だけの擁護にとどまり、今のところ物質的な援助は行っていないと、米政府筋はみている。