アメリカの家計金融資産が3倍になる間に、日本はたった1.52倍…

日本の家計の金融資産の54.3%は「現金・預金」、27.4%は「保険・年金・定型保証」であり、株式や投資信託、債務証券といった投資は全部合わせても15.7%に過ぎません。

対して、アメリカは家計の55.2%が、株式その他の投資に回されています(2020年度日本銀行調査統計局調べ)。

結果はどうでしょう。アメリカの金融資産が過去20年で3倍以上になっているのに対して、日本は1.52倍に留まっています。

インデックス投資で「億り人」になった人々

NISAができるよりも前に、私のアドバイスを受けてインデックス投資を始めた方たちの中には、現在いわゆる「億り人」になった方が少なからずいます。複利の威力はすごいもので、10年以上コツコツと貯金感覚で投資を続けた結果、億単位の資産を築きました。

この方たちは、特別アグレッシブな投資家ではありません。ただ、貯金に回していたお金をインデックス投資の口座へ移し変え、コツコツと積み上げることを15~20年ほど続けてきただけです。

一方で、お金は銀行に預けているだけでは増えないこと、お金がお金を稼ぐインデックス投資の有用性とその仕組みを説明しても、頑として「銀行預金+現金」というポートフォリオを変えなかった方たちもいます。資産を、ただ銀行の普通預金や定期預金に入れて、寝かせたままにしていました。

当たり前ですが、近年の銀行の低金利では、お金は少しも増えることはありません。それは、先に示した日本とアメリカの金融資産の推移を見れば、明らかです。

「性能」ではなく「脳の境界線」の差

この二者の違いは、いったいどこからくるのでしょうか?

人間はその性能においては、特別大きな違いはありません。一部の天才たちを除けば、知能も身体能力も、もともとさほどの違いはないのです。それでも得る結果に大きな違いが出るのは、「脳の境界線」の差からくると私は考えています。

「この先は危険地帯だから、入ってはいけない」
「この線の内側にいれば安全だから、ずっとここにいよう」

これが脳の境界線です。脳が勝手に自分の限界を作り、ロックしてしまうことで、思考や行動に様々な制限が生まれてしまうことになるのです。