「自分にはできない」と、やらない理由を探し始める

なぜそうなるのか。ブレインロックは事実とは関係なく、無意識に「自分にはできない」と自分の選択や能力を制限してしまうからです。

その状態に陥ると、次に何が起こるのでしょうか。まず、「やらない理由」になる情報を探し始めます。「時間がないから」「お金がないから」「家族が反対するから」といった具合に、自分にとって都合のよい情報を優先的に集めてきて、最も正しいこととして認知してしまうのです。これを「選択的認知」といいます。

そして、それらの理由を大切に握りしめたまま、現状維持を続けてしまうのです。

誰もブレインロックから逃れることはできません。なぜなら、幼少期からの親の教育や社会的なメッセージによって、知らないうちに自分の中に形作られてしまうものだからです。

つまり、ブレインロックはいい換えれば、「社会的洗脳」なのです。

家庭や社会が「ロック」の原因に

幼少期から家庭や社会と断絶して成長してきたという人はほぼいないでしょうから、全員に何かしらのブレインロックがかかっていると考えてよいでしょう。

そこで、無意識のうちに備わってしまったブレインロックの存在にまずは気付き、次いで、その呪縛を解く方法をお伝えするべく、今回『できないのはあなたのせいじゃない』を書きました。

ブレインロックという一種の洗脳を解除することで、これまで見えなかった情報や選択肢、機会が視界にどんどん飛び込んでくるように働きかけていきます。

その結果、あなたの人生の可能性は格段に広がり始めます。それこそが、ブレインロックを外す最大のメリットです。

変化の時代はロックを外すべき

ブレインロックがかかったまま、自分が限界と決めた範囲の中に、「安全安心」と思い込んで留まっている状態は、現代社会においては安全の真逆……非常に危険な行為です。なぜなら、これまでにないほど、現代社会の変化のスピードが加速しているからです。

そして、2020年以降の新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、変化の速度はさらに増しています。

ただ立ち止まっていただけのつもりが、気が付いたらあっという間に後退し、周囲に大きく後れをとることになっていた……という事態になってしまうのです。

早急にブレインロックを外して視界を広げ、変化の波の中でチャンスをつかんで前へ進んでいかなければなりません。