※本稿は、野口悠紀雄『「超」書く技術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
敬語の誤りは決定的…
メールの書き方で最も重要なことなのに、軽視されている「メールをどう書くか」という本が山ほどあります。
そこで強調されているのは、メールを印象的に書いて相手の注目を引こう、などといったことです。そうできればそのほうがよいのですが、これらは、どちらかと言えば程度の問題です。
それに対して、敬語の誤りは決定的です。それにもかかわらず、敬語について書かれたものをあまり見ません。
適切なメールを書くためには、まず敬語の使い方を正しくすべきです。
敬語の使い方で生活環境が分かる
敬語にはルールがあります。
ただし、いちいちルールに当てはめて、「これは謙譲語だから使ってもよい」などと判断するのは大変です。感覚として、「これが正しい」とか、「これはどこかおかしい」と感じられるようになる必要があります。
その感覚は、日常生活で正しい敬語を使うことによってしか習得できません。そのため、敬語の使い方を見ていると、その人の生活環境が分かってしまいます。
その人が普段どのような言語環境の中で生活しているか、その中での普通の言葉がどのようなものなのかが、現れてしまうのです。