韓国大統領選挙は不毛な戦いだった

2022年3月の韓国大統領選で、保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦ユン・ソクヨル氏が当選した。今回の大統領選は、両候補ともスキャンダルを抱え、互いに演説であげつらうという実に不毛な戦いだった。

韓国次期大統領の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏。
韓国次期大統領の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏。(ロイター/アフロ=写真)

日韓関係は大統領が保守党のときは改善するといわれてきたし、尹氏は親日的とも伝えられている。しかし、期待はできない。親日派で知られ2007年末に当選した保守党の李明博イ・ミョンバク元大統領も、支持率が低下すると、12年に竹島に上陸し、天皇に謝罪してほしいと言い出した。いまの韓国は保守、革新の区別なく、反日姿勢を見せないと政権の支持率は上がらないのだ。

尹次期大統領に取り組んでほしいのは、新しいクオリティ国家を築くことだ。現在の韓国が世界に自慢できるのは、K-POPやドラマ・映画などの若者文化だ。BTS(防弾少年団)に代表される新しいスタイルのポップカルチャーは世界的に見てもユニークで、所属事務所HYBEは20年に上場して時価総額は一時1兆円を超えた。次期大統領が新しいクオリティ国家を世界にアピールできたら、韓国にとって初の大統領になるだろう。