102歳女性「(立ち仕事も)楽しい、私の生きがい」

この日、盛りつけに参加された6人の中にはなんと102歳の方もいた。下出こうさんだ。

「1時間半も立ち仕事をして疲れませんか?」と聞くと、

「大丈夫です。みんな優しく気づかってくださいますし、楽しいから時間があっという間に過ぎます。ここに来るのが私の生きがいです」と笑顔で話してくれた。

「思い切った試みでしたが、アクティブキッチンを始めて本当に良かったと思います」と阿部さんが続ける。「それは参加されたみなさんの笑顔が多くなったことです。自分がつくったお弁当を食べる人がいる。自分が必要とされているという意識が元気や笑顔につながっているのではないでしょうか」

どんなに高齢になっても社会に参加している気持ちが必要であり、それが生きる活力を生むのだろう。

「もちろん、すべての利用者さんが当てはまるわけではありません。心身の状態はもとより気持ちがそちらに向かない方もいますからね。そういう方は当社で運営する他のデイ・サービスを利用されています。ただ、ここに参加されている方々のように働くことが心身に好影響を及ぼし、笑顔と元気を取り戻される方もいる。こうした試みをするデイ・サービスがもっと増えてもいいのではないか、と思っています」

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