センスがない子も大丈夫
算数、とくに図形などは「センス」がすべてのようにいう人もいます。でも私は、センスとは、生まれながらに持っているものではないと思います。
センスがある子というのは、実は小さいころから図形や数にたくさん触れていたとか、クイズのように楽しみながらどんどん解いてきた子なのではないかと思います。
トップ校に受かるお子さんなどが、いつもゲームをしていて全然勉強しないといった話も聞きます。そういう子は処理スピードが速いので、普通の子と同じ問題量(もしくはそれ以上)を、短時間でこなしていたという場合が多いのです。
おすすめの遊びとは
ここまでお話ししたように、中学入試のための算数に大事なのは、計算をはじめとする基礎をしっかりと身につけることです。
では、そのために低学年のうちから家庭で準備できることはなんでしょうか。私のおすすめはアナログな遊びをすることです。個人的に一番いいと思うのはトランプの神経衰弱。算数が苦手な子は、長い文章題を読んでいるうちに、数字や条件が抜けてしまいます。
得意な子は、頭の中で条件を整理しながら読めるので、すんなりと立式できるのです。そのときに大切なのは短期記憶。そこを神経衰弱で鍛えておくのは有効なのではないでしょうか。
あとは、人生ゲームのようなすごろく遊びもいいですね。一つ、二つ……とマスを数えていくのは、数に慣れる第一歩です。サイコロを振るのも、場合の数や確率につながる感覚が身につきます。日常の遊びに取り入れてみたらいかがでしょうか。
教える人
四谷大塚 横浜校舎校舎長 蛭田栄治先生
四谷大塚 横浜校舎校舎長 蛭田栄治先生
(構成=本誌編集部)