中学受験で得点に差がつきやすいのが「算数」だ。トップ校に合格する子は何が違うのか。長年、算数を指導する四谷大塚横浜校舎校舎長の蛭田栄治さんは「小数・分数の四則演算を含む計算力など基礎をしっかり身につけることが大事です。そのために低学年のうちから親子でアナログな遊びをするといい」という――。

※本稿は『プレジデントFamily 2022 春号』の一部を再編集したものです。

開成学園
撮影=プレジデントオンライン編集部

学校の勉強と何が違うのか

小学校で習う算数と中学受験に向けた算数学習の大きな違いは、カリキュラムの進度です。

計算でいえば、小学校では、3年生までに整数でのたし算・ひき算・かけ算・わり算ができるよう指導されます。続いて、小数の計算を5年生まで、分数の計算を6年生までかけて学んでいきます。

一方、中学受験のカリキュラムでは、4年生のうちに小数・分数の四則演算まで習います。

小数・分数を含めた計算力が、応用問題をやっていくための基礎となるからです。たとえば、速さの計算も、おうぎ形の面積を求めるのも、分数を理解していることが前提になります。

実際の問題を見てみよう!
解説と解答:中学入試の問題は、中学以降の範囲の先取り学習ではない。小学校で習う算数の知識を土台に、解き方を考えたり工夫をしたりすることを求められている。上の2問は、難関中学の算数試験の“大問1”で出題されたもの。桜蔭の計算問題は、小学校の教科書レベルよりもグンと難しく見えるが、一つ一つの計算を順番に、落ち着いて粘り強く解いていくことで答えが求められる。開成の問題は、まずは分数を小数に直すためにわり算をしてみる。0.0001000200040008……という答えの規則性に気がつくことができれば小数第48位が求められる。小数第56位と小数第96位はさらに繰り上がりも考える必要がある。

[答え]●桜蔭 ア:110分の27 ●開成 小数第48位:8 小数第56位:3 小数第96位:6

つまり、早いうちに計算力を身につけ、それを土台に、さまざまな応用問題の解法を学んでいくという学習カリキュラムなのです。

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