恵まれた仕送り茨城の学生、質素な生活の和歌山の学生

図表6の紺色部分、すなわち仕送り負担の大きい地域は、自宅外の東京や京都、その周辺で大学生活を送る子どもを多く送り出している地域と重なると思われる。

1世帯当たりの自宅外の通学者の人数については、日本政策金融公庫の調査結果が毎年発表されている。そこで、この値と図表6の濃紺部分(教育関係費の中で固有の教育費を除いた部分)の値との相関図を図表8に掲げた。

自宅外で学校に通わせている子どもが多い地域ほど 仕送り額の負担も大きい

X軸とY軸との関係については、正の相関、すなわち、大学のある都市でひとり暮らしや寮生活をする自宅外通学者を多く送り出している地域ほど濃紺部分(仕送り額等)が大きくなっていることが一目瞭然である。

香川、島根、徳島、長野などは自宅外通学者が多いので仕送り額が多くなっているといえよう。逆に、大阪、神奈川、東京、兵庫などは自宅外通学者が少ないので仕送り額も小さい。

興味深いのは自宅外通学者の人数がそれほど多くないのに仕送り額が大きいと見られる地域があることである。茨城、栃木、富山などがこうした地域として目立っている。過保護と見られるほど多くの仕送りをこうした地域の子どもには送っていると考えられる。

逆に自宅外通学者の人数の割に仕送り額が小さい地域もある。和歌山、青森などが出身の大学生は、他地域と比較して親に負担をかけないように質素な生活を送っていると見られるのである。

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