「チャンス」をはき違えていないか
企画を通さない上司や不本意な異動に不平不満をこぼす人もいます。逆に、「どうすれば上司をぎゃふんと言わせられるか」「どうすれば今の部署で力を発揮できるか」を考える人もいます。つまりその状況そのものが最初から善とか悪とか決まっているわけではなく、それで発奮するかクサるかは本人の自由なのです。
「希望の部署で経験を積むチャンスがもらえなかった」という人は大きな勘違いをしているのではないでしょうか。たとえば図書館に行けば最新のビジネス書や専門書もあってタダで勉強できるし、世界のトップ大学の講義もオンラインで無料公開されています。社内外で学ぶチャンスはたくさんあり、希望の異動が叶わなかったからといって必要な教養や専門知識、スキルが身に付かないということはありません。
「チャンスをもらえなかった」という人は、チャンスというものをはき違えていることが多いように思います。チャンスとはリスクを背負っているもので、常に表裏一体です。完璧なチャンスはチャンスではないのです。
しかしチャンスがないと嘆く人は、リスクや苦労を避けたいと考えているから、その裏側に隠れているチャンスが見えない。自らチャンスを遠ざけてしまっているのです。
この春、“無能な上司”の元で働くことになったり、“不本意な異動”をすることになったら、そうした視点をもってみてはいかがでしょうか。