人望を集める人は、いかなる人物なのか。アメリカの心理カウンセラーで著述家のレス・ギブリンさんは「相手に最高の評価を与える方法のひとつは、相手の話に耳を傾けること。辛抱強く聞くことは、『あなたの話は聞く価値がある』という意志表示になり、相手の自尊心を満たすことができる」。よりよく聞くための7つの方法を紹介しよう――。
※本稿は、レス・ギブリン『人望が集まる人の考え方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/弓場隆訳)の一部を再編集したものです。
相手の話をじっくり聞くという人はごくわずか
選挙で勝つ秘訣を政治家志望の青年に尋ねられたとき、最高裁判事のオリバー・ウェンデル・ホームズはこう答えた。
「相手の言い分に共感して理解のある態度を示すことが、人望を集める最も効果的な方法である。ところが、相手の話をじっくり聞くという単純な方法を実行している人はごくわずかしかいないのが現状だ」
ある意味で、私たちはいつも選挙に立候補しているようなものだ。周囲の人はたえず私たちを観察し、心の中で賛成票か反対票を投じているからである。場合によっては、取引するかしないかを決めている。その決定的要因となるのが聞き上手かどうかだ。実際、そういうケースはあなたが思っている以上に多い。
誰かと会って立ち去った後、うまくいかなかったと感じる場合、あなたは相手から反対票を投じられたような気分になり、「相手を味方につけるにはどう言えばよかったか?」と自分に問いかけるかもしれない。
意外なことに、たいていその答えは「とくに何も言う必要はなかった」である。あなたがしくじったのは、何かを言ったとか言わなかったとかではなく、相手の話にじっくり耳を傾けなかったからだ。