転職先でひんしゅくを買う行動3つ

転職先企業に入社してまだ間もない頃、「これをやってしまい、人間関係の構築がスムーズにいかなかった」という例をご紹介します。くれぐれも気を付けてください。

ディベートする2人のビジネスマン
写真=iStock.com/SunnyVMD
※写真はイメージです
前の会社と比較して指摘する

自分では批判したつもりがなくても、批判と受け取られることがあります。何気なく発する一言にも注意してください。例えば、

「このデータの処理、まだ手作業でやっているんですね」
「このソフト、バージョンが古いんですね」
「まだメールが中心なんですね。私が前にいた会社はSlackでやりとりしていました」

既存メンバーにしてみれば、ばかにされたように感じ、ムッとしてしまうこともあります。特に、職場によってデジタル化のレベルはさまざまです。遅れていると感じても、それを口に出すのは控えてください。

職場になじんだ頃に、「こういうツールを導入すると、効率化できますよ」と、提案しましょう。

前の会社の“言語”を持ち込む

IT活用度と同様、「使用言語」も企業によってさまざまです。

注意したいのは、「アジェンダ」「アサイン」「ジョイン」「コミット」「エビデンス」「スケール」「フィジビリ」といったカタカナビジネス用語。前の会社では日常的に、皆がごく当たり前に使っていた言葉も、新しい会社では違和感を抱かれることもあります。「知らない言語を使う人」は、距離を感じられたり身構えられたりしてしまいます。

転職先企業のメンバー同士の会話を観察して、「言語文化」に早くなじむことを意識してください。

アウトプット(成果)を焦る

転職先で、早く成果を挙げて認められたいと考えるのは当然のこと。しかし、成果を焦った結果、自分を苦しい立場に追い込んでしまうケースが多々あります。

例えば、面接で役員から「業務変革を任せたい」「新たな仕組みをつくってほしい」などと言われたとします。しかし、必ずしも現場がそれを望んでいるとは限りません。入社後早々に「改善」「変革」に着手した結果、一緒に働くメンバーからの抵抗に遭い、孤立してしまった……ということはよくあります。

「私の知識・ノウハウを導入すれば、組織に貢献できる」と自信を持っていたとしても、入社して間もない頃は、その職場の既存のやり方をそのまま受け入れましょう。非効率に見えても、その方法をとっているのには、何らかの事情があることも多いものです。背景を理解した上で、そしてメンバーとの信頼関係を築いた上で、徐々に提案をしていくことをおすすめします。

同じ業務でも、会社によって「作法」「型」「スピード」などが異なるものです。いったんはそれを身に付け、その意味や本質を見極めた上で、自身の強みを発揮していきましょう。

(構成=青木 典子)
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