「感染者の隔離解除の基準を決める上で、気道からの検体採取による2回の検査で陰性を確認するほかに、肛門からの検体採取による検査での陰性確認も重要な参考データとして取り入れるべきだ」と論文は結論づけている。

中国では、デルタ株の感染が収束しつつあるとみられる一方で、これまでに約4分の1の省や地方自治体でオミクロン株の感染者が確認されている。だが北京冬季五輪の開催を2週間後に控え、1月末からは春節の大型連休も始まる北京で市中感染が確認されたことは、中国のゼロコロナ政策にとって大きな試練だ。

国家衛生健康委員会の1月19日の発表によれば、中国国内で18日に確認された新たな市中感染者は55人と、この2週間で最も少なかった。北京市では海淀区で新たに2人のオミクロン株感染が確認され(いずれも15日に感染が判明した人物の濃厚接触者)、朝陽区ではデルタ株の感染者1人が確認された。また無症状の感染者は37人確認された。

北京のオミクロン株感染者の感染源は、まだ特定されていないが、保健当局はカナダからの国際郵便物が感染源の可能性もあると指摘している(カナダ政府は猛反発)。CCTVは今週の報道の中で、海外から届いた郵便物を開封する際にはマスクと手袋を着用するよう市民に求め、また海外からの商品購入を控えるよう促した。

秋まで続く重要イベント

オミクロン株は、北京から約130キロ南東に位置する天津で感染が拡大しており、中国は感染防御態勢をさらに強化している。中国当局は、習近平国家主席の3期目続投が正式に決まる見通しの秋の共産党大会までは、厳しい規制を緩めるつもりはないようで、人口の90%近くがワクチン接種を完了しているにもかかわらず国境封鎖を続けている。

北京冬季五輪の組織委員会は17日、公衆衛生上の懸念を理由に、一般向けのチケット販売予定を取り消した。2月4日に開幕する冬季五輪では、会場での観戦は招待したグループに限定されることになる。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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