※本稿は、矢野香『いい人で終わらないリーダーは「決めてから話す」 信頼される話し方の本質』(大和書房)の一部を再編集したものです。
理想の自分を作るために「頼りたい人」
理想の自分を引き寄せるためには、スーツやメイク、髪型などを適切に選び取ることも必要です。しかし「難しそう」「面倒くさい」「自分のセンスでは無理」などと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
大丈夫。そんなときこそ、迷わずプロの力を借りましょう。装いは、才能ではなく技術です。ひとりで悩み続けるより、その道のプロフェッショナルに任せたほうが時間もお金も節約できます。
たとえば、スーツを買いたいと思ったら百貨店へ足を運ぶことをおすすめします。コンシェルジュサービスやパーソナル・スタイリングサービスが受けられるデパートも多くなりました。
彼らプロフェッショナルに「なりたい自分像」である「セルフ・パペット」のイメージを伝えれば、ふさわしいブランドやコーディネートを提案してくれるでしょう。
そもそもブランドの専門店や路面店は、入った以上何か買わなければ申し訳ない。店員さんに声をかけられると断りづらいと敷居が高く感じられることがあります。その点、百貨店は気軽です。各階を自由に見て回りながら、さまざまなブランドや価格帯、デザインを比較することができます。
さらに、フリーランスのスタイリスト、ヘアメイク、イメージコンサルタントなど、パーソナルで伴走してくれる専門家もいます。自分の与えたいイメージを伝えて相談してみてください。たとえその場で商品を購入しなかったとしても、その道のプロフェッショナルと一緒に店頭を回ると大きな学びが得られます。自分では気づかなかった選び方の視点を知ることができるからです。
プロに丸投げすると失敗する理由
俳優の中には、地方公演や海外出張に行くとき、いつも同じメイク担当者に同行してもらう方々がいます。専属のメイクさんです。なぜならその人は俳優の顔立ちだけでなく、これまで演じてきた役柄や見せたいイメージ、ファンからの期待までをトータルで理解しているからです。
私たちが専門家の力を借りるときも同じです。毎回違う人にその場しのぎで相談するより、毎回同じ方にお願いする。あなたの仕事、立場、目指す未来を理解してくれる専門家との信頼関係を築くほうが、装いは確実に育っていきます。
ただし百貨店であれパーソナルサービスであれ、忘れてはならない心構えがあります。それは専門家だからと丸投げしないこと。
最初にしっかりと今の自分に似合うかどうかではなく、10年後の自分になるためのアイテムを探していることを伝えましょう。
イメージしたロールモデルや憧れの先輩の写真、ドラマのワンシーン、AIで作った理想のビジュアルなどを見せるのもよいでしょう。イメージが具体的であればあるほど、相手も提案しやすくなります。「自分をどう見せたいのか」「どんな役割を担うのか」を明確にした上で、一緒にセルフ・パペットを作ってもらいます。セルフ・パペットを操る糸の一本を彼らにも持ってもらうのです。
装いはひとりで完成させるものではありません。信頼できる専門家と共に設計していきましょう。

