AIによって「選ぶ」行程が極端に減っていく

僕はTORIHADA(トリハダ)を創業する前、サイバーエージェントでアドテクノロジーを学びましたが、そのときよく話されていたことが、「スマホのホームはAIによって日々パーソナライズされたレコメンドになる」ということでした。

つまり、AIは私たちの「選ぶ」という工程を極めて減らしていくはずで、TikTokはそれを動画プラットフォームとして実現しました。

これは、「ソーシャルネットワーク2.0」と言ってもいい変化だと考えています。フォロワーがいなくても、バズが生めるようになったのです。

SNSの概念
写真=iStock.com/metamorworks
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TikTokのメリットは圧倒的な「拡散力」

TikTokのレコメンドシステムはフォローの有無に関わらず、プラットフォーム独自のレコメンドシステムやAIによってさまざまな投稿がユーザーごとに最適化され、「おすすめ」フィードに表示されます。それを縦にスワイプしていくと、レコメンドされた動画が自動再生される仕組みになっています。

確かに、「フォロー」しているユーザーのコンテンツが見られるフィードもありますが、ほとんどのコンテンツが、「おすすめ」フィードからの視聴となっています。

例えば、Instagramの場合、フォロワーが10万人いたとしたら、そのおよそ半分の5万〜6万人の人に投稿が見られると言われています。拡散するためにハッシュタグをたくさんつけて検索にかかりやすくしても、フォロワー数以上の人に見られることは実は滅多にありません。

ですが、TikTokはフォロワーが同じ10万人だったとしても、レコメンドシステムで高く評価される動画であったら「おすすめ」フィードに載って拡散され、フォロワー数以上の100万回再生以上されることもあります。

確かにTwitterには、リツイートすることでフォロー外の人にも投稿が拡散される機能があり、稀に予想を超えるバズり方をするものもありますが、TikTokの場合はリツイートという他者の協力がなくても「おすすめ」フィードで常に広まっていくので、他のプラットフォームに比べて非常に拡散率が高いと言えます。