暴力団幹部と一緒に写った写真が次々と流出
住吉会の福田晴瞭会長(当時)、山口組六代目の司忍組長、弘道会傘下佐々木一家の山本岩雄総長(故人)と一緒に写っている人間が大学を牛耳っている理事長だったら、その学校の学生やOBはどう思うのだろう。
日本大学の理事長だった田中英寿(74)が、11月29日に東京地検特捜部に逮捕された。田中は歴代の総長選で、自分の推す候補者を勝たせてきた。こんなエピソードがあると週刊新潮(12月9日号)が報じている。
「13年前の総長選では自分がついた候補の対抗馬を向島の料亭に呼び出し、“出馬を辞退してくれたら5000万円渡す。次期総長選は勝たせるようにするから”と協力を仰いでいました。あまりに一方的な申し出に、その候補は断っていましたが」(さる日大関係者)
気にいらない教授がいると、「夜道に気をつけろ」と脅したこともあったという。俺のバックには暴力団がいるとほのめかし、わが物顔に振る舞っていた。
対立していた幹部は、グラウンドの守衛に左遷
瀬在幸安総長は田中(当時は常務理事)の言動に疑問を持ち始め、6人の弁護士からなる特別調査委員会をつくり、疑惑の調査を指示したと週刊文春(12月9日号)が報じている。
だが調査はうやむやになり、反瀬在に転じた田中は、2005年の総長選では小嶋勝衛を推して瀬在を破ったという。
文春によれば、その後、名古屋で行われたイベントに出席した小嶋総長に、「会わせたい人がいる」と田中が誘った。行った先にいたのは、「司(忍=筆者注)氏だったそうです」と、同大学の元幹部が話している。
田中が2008年に理事長に就任すると、
「まず着手したのは学内にある在籍を知らせる電光掲示板の『総長』と『理事長』の位置を入れ替えることでした。
それまでは総長が上だったのを、理事長を上にし、自らがトップだと宣言した。対立していた幹部を左遷し、最終的に東京・稲城のグラウンドの守衛にするなど、逆らう奴がいれば呼び出して“北海道の大学施設の管理人が空いてるぞ”と脅すのです」(週刊新潮(同))