田中体制の集金マシンと化していた「日大事業部」

週刊文春にはこんな話が載っている。

「日大出身のある親方が部屋を開いた際は、小雨の降る地鎮祭に、後に山口組若頭となる高山清司氏が姿を見せたと言われていた。田中氏と弘道会(司忍山口組六代目の出身母体=筆者注)の関係が密かに話題になり、高山氏が田中氏の妻、優子夫人にエルメスのバーキンを一ダース送り、優子夫人が感激していたとの話も耳にしました」(日大関係者)

田中の側近である井ノ口が牛耳っていた日大事業部という伏魔殿の実態も、明るみに出されなければならない。

ここは別名「日大相撲部」といわれていて、田中が率いる相撲部の関係者が複数採用されているという。

土俵に盛られた塩
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その利益の大半は日大への寄付として処理されていて、田中体制の集金マシンになっていたといわれる。

薮本の政界人脈と豪遊ぶりも週刊新潮(10月21日号)と週刊文春(同)で報じられた。週刊新潮は、薮本が安倍晋三元総理と親しく、加計学園の加計孝太郎理事長らとゴルフクラブで撮った写真も掲載していた。

口ひげを蓄えた面構えはいかにも“政商”という雰囲気である。

藪本の仲介で田中と安倍が会ったことはないのだろうか。

「政治家に渡した裏金のことも全部ぶちまけてやる」

田中との関係が最も強いのは相撲界だ。週刊文春によれば、

「一九八三年には日大相撲部の監督に就任。田中氏が指導した角界の日大出身者は五十人を超えています。現役理事の境川親方を始め、木瀬親方や入間川親方、解説者の舞の海もいます。

さらに角界に力士を輩出し続ける鳥取城北高の石浦外喜義総監督や埼玉栄高の山田道紀監督も田中氏の薫陶を受けています」(角界関係者)

薫陶ばかりではない。

「田中氏はその豊富な人脈を駆使し、日大に有望な学生を集め、高値で相撲部屋に力士を送り込むことで絶大な影響力を誇った」(週刊文春)という。

田中は入院中に、こんな言葉を口にしていたようだ。

「俺が逮捕されるようなことがあれば、今まで政治家に渡した裏金のことも全部ぶちまけてやる」

逮捕されたのだからぜひ、そうしてもらいたいものである。