学費高騰や親の収入減のため、やむを得ず性産業で学費と生活費を稼ぐ女子学生が増えている。ノンフィクションライターの中村淳彦さんが、パパ活、ソープ嬢、AV女優を掛け持ちする25歳の音大生に取材した――。

※本稿は、中村淳彦『パパ活女子』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

窓の外を見つめる女性のシルエット
写真=iStock.com/Alexey_M
※写真はイメージです

夏休みは週5~6日、毎日ずっとパパ活

「パパ活、はじめて3カ月くらいです」

酒井亜弓さん(仮名、25歳)は、都内の芸術系大学3年生だ。学費を貯めるために3年間社会人を経験したので、いまは25歳である。

夏休みなので朝から晩までパパ活しているようで、一日のすべてのパパ活スケジュールをこなした後の21時に待ち合わせた。山陰地方出身、東京の下町で家賃8万円の部屋でひとり暮らししている。

「夏休みなのでとにかく動いているけど、パパ活のペースはまちまち。たぶん男性のお給料のタイミングだと思うのですが、男性からのメッセージが殺到する時期と、全然捕まらない時期があります。いまは夏休みなので週5日か6日、毎日ずっとパパ活をやっています」

品のある女性だ。女優の高畑充希に似てなくもない。受け答えから育ちのよさが伝わる。

パパ活サイトで気にいった異性にメッセージを送り、条件が合えば顔合わせする。淑やかさが伝わる写真を掲載していて、男性からメッセージはたくさんくる。危なそうな男性以外には返信し、顔合わせ&食事を繰り返している。

ソープ嬢とAV女優も掛け持ち

「顔合わせは0.5(5000円)か1(1万円)です。たまに0.3を提示してくる方がいるけど、それはよほど暇だったらって感じ。お食事は相場通り1万円をもらっています。大学に行きながらのパパ活なので、授業がある時期は時間が限られます。値段が高い人から優先的にスケジュールを埋めるので、顔合わせ3000円って人をわざわざ組み込む余裕がないんです。学校があるときでも、土日とかお休みの日は一日中やります。今日もそうでしたけど、顔合わせと食事で一日5人とか」

今日の売り上げは顔合わせ5000円×2名、顔合わせ1万円×1名、食事1万円×2名で4万円だった。3年の夏休みは、そんなパパ活をひたすら続けている。

「実はソープ嬢とAV女優もしていて、いまは夏休みなので毎日昼間はパパ活、夜は吉原に出勤です。パパ活をはじめたのは、コロナで撮影がゼロになって、ソープのお客さんが減ったから。時間と体力的に大変だけど、お金がかかる大学生をしているのでやるしかなくて。大学のために上京してから、ずっとセックス、セックス、セックスみたいな感じなので、パパ活は食事メインにしています。基本的にいいなと思った人しか大人は受けません。そういうスタンスですね」

そんなことをいいだした。音大生をしながらソープ嬢、AV女優、パパ活女子のトリプルワークだという。