30代女性はネットで出会った自称資産家の男にロレックス転売話を持ちかけられ440万円を騙し取られた直後、その相談をした自称弁護士にさらに100万円詐取された。ジャーナリストの多田文明さんは「こうした卑劣なハイエナ詐欺は巧妙に仕組まれており、被害者には東大卒のような超高学歴の人も少なくない」と警鐘を鳴らす――。
封筒に入ったたくさんの一万円札
写真=iStock.com/itasun
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440万円を騙し取られた直後、自称弁護士にも100万円を…

最近、高級時計ロレックスが高値で買い取られる傾向に便乗する形で、転売や出資を持ちかけお金を騙し取る手口の犯罪が増えています。

11月15日に配信した、〈警戒しながらも「アラブ皇太子と友達の男」にロレックス転売話で440万円騙されるまでの一部始終〉はその一例でした。

今年初め、30代女性は、マッチングアプリで出会った40代の自称資産家の男性から「高級時計を転売すれば儲けられる」と、ロレックスのデイトナの購入を持ちかけられました。直接会って、その雰囲気や話し方から信用できる人物と判断し、計440万円ものお金を振り込みました。しかし、待てど暮らせどが時計が送られてくることはなく、その男もお金を預かったまま行方をくらましました。

筆者がその後の被害経緯について女性に聞き取り調査を進めたところ、その中でこの女性がさらなる被害に遭っていたことがわかってきました。

「弁護士に相談して、100万円を支払っています」

安心しきった様子で事情を説明する女性でしたが、この言葉から、新たな被害がみえてきたのです。それは、「ハイエナ詐欺」と呼ばれる卑劣な手口。被害に遭っている人に群がり、さらに金を騙し取ろうとするものです。

「弁護士に100万円を支払った」と語る女性に対して、筆者は当初弁護士への着手金かと思い「そうですか。解決に向かうといいですね」と話すと、女性も「はい」とうなずきます。しかし、その後の話がどうもおかしいのです。

「ちなみに、どちらの弁護士さんですか?」
「*藤さんと言います」
「下の名前は?」
「わかりません」
「わからない? では、弁護士さんオフィスの住所はどちらになりますか?」
「教えてくれないのです」
「はい? 教えくれない……おかしいですね。苗字しかわからないのでは、その方が本物の弁護士かの確認のしようがありません。偽弁護士の可能性もありますよ」
「え~! 私、また、騙されたんですか。でも、3回も彼に会って、親身になって相談にのってもらっているんですよ」

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