人事部が合理性を追求していくうえで壁となるのが、人事評価である。本来、社員の職務遂行能力などを丁寧に「見取り」、評価し、育成につなげていくならば絶対評価が理想だろう。なぜ大企業の人事部はあいまいな相対評価の仕組みを温存してきたのだろうか。

理由のひとつは、相対評価を使えば、昇給や賞与の額を決めるときに、支払いの原資を管理しながら、おのおのの社員に差をつけることができるからだ。

一般的な賞与の決め方は以下の通りだ。まず成績を「A、B、C、D、E」という5段階に分ける。いちばん優秀な「A」はその職場で働く人の5%、いちばん成績の悪い「E」も5%。「B」「C」「D」はそれぞれ5、80、5%と決める。部課長は、自らの部下の成績をこの比率に沿って振り分けていく。