人事部はどこまで知っているのか。彼らは特別なスキルを持つわけではない。原則としては「直属の上司の評価」が出世のカギを握ってきた。だが現在、激変が起きつつある。

ここに、東証一部上場のある銀行の人事考課表がある。これは考課者である上司が部下をいくつかの項目に従い評価し、それらを記入し、人事部で保存しておくのものだ。

通常、社員は人事部から配られる自己申告表に、その期間内における「成果」や「取組姿勢」などに関する事実を書き込む。管理職は、それらをもとにその部下と話し合うなどする。そして、自らが判断する評価をこの考課表に書き込む。その後は、二次考課者、三次考課者がこの表に書き加えていく。

この表は、「実績考課表A」とあり、管理職(マネジャー、リーダー)を評価するものである。つまり、彼らの上司である部長などが一次考課者、担当役員が二次考課者、人事部が三次考課者となる。