巨額の資金をもらってうまくいかなければ詐欺行為

——その思いは大阪のスタートアップ経営者に伝わっているんでしょうか。

今、大阪府から依頼を受けて、大阪府のベンチャー支援政策をいくつか立ち上げていますが、そこから上場企業が3社生まれています。その人たちが次のスタートアップを育てている。大阪って経営者の心構えとか、ファイナンスの知識とかを先輩が後輩に教える文化があるんです。僕もそれで育ててもらった一人ですから今度は僕の番だというつもりでいます。

スタートアップを立ち上げる環境は東京のほうがはるかにリッチです。営業先を紹介したり、おカネの面倒を見てくれたりするベンチャーキャピタルも多い。でも、そういう環境だと実力がないのにお客さんや巨額の資金がついてしまったりする。それでうまいこといかんかったら、それはある種の詐欺行為でしょう。

シナジーマーケティングの谷井等会長
撮影=門間新弥

関西から大きなインパクトを与えてほしい

大阪には支援する人があまりいない。だから起業した人は頑張るんですよね。トマトみたいなもんですよ。カラカラの土地であまり水も与えずに育てていると、トマトって旨味が凝縮するやないですか。大阪とか関西の起業家にはそういう人が多い。

だからベンチャーキャピタルからカネを集めず、多少の銀行借り入れだけで会社を黒字にしている人が結構いるんです。それは本当に立派なこと。ただ反面、それで小さくまとまっちゃっている人が多いような気もしますね。

東京には投資詐欺みたいなことをしている人もいるけれど、一方でベンチャーキャピタルから巨額の出資を受けて事業を立ち上げ、何年も赤字を垂れ流すんだけれど、5年ぐらいたってグワーっと会社を大きくする人もいる。エクイティファイナンス(新株発行)を活用し、Jカーブで会社を大きく伸ばし、世の中にインパクトを与える。関西の起業家がそんな風になってくれたらなあと思います。

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