ストレスは、自分でつくってしまっていることが多いということに、まずは気づく必要があります。

責任感が強い人や、心配性の人は、ストレスをためやすいものです。「こうあるべき」という姿が強固で、その姿と現実が違ってしまうことに対して強いストレスを感じてしまうのです。なかでも、「いい結果を出したい」という気持ちが強く、頑張りすぎてしまう「積極思考」を持つ人は、失敗することに対して過剰に不安を感じるので、特にストレスをためやすくイライラしがちです。

ストレスが強いと、脳はグルココルチコイドというストレスホルモンに支配されます。これは、最悪の場合は糖尿病を誘発したり、がんを引き起こしたりするホルモンです。40代ともなると免疫力が下がり始めますから、そこにストレスが加わるといいことは一つもありません。

何しろ、ストレス状態というのは、脳が働かない状態です。そんな状態の中ではアイデアは出ませんし、仕事の効率も上がりません。反対に、脳が深くリラックスした状態では、脳には普段の6割増の血液が流れます。脳はこの血液に乗せて、全身に多くの酸素と栄養を届けるようになります。こういった状態では、自然に集中力が高まり、最高の能力を発揮することができます。

神経質でストレスをためやすいタイプの人は、作業能率の高さで出世する場合はあるかもしれませんが、新しいことに取り組んで大きく成長することは不得手です。できるだけストレスをためず、脳を快適な状態にすることは、健康を保ち、仕事の成功にもつながるのです。