その場で最適な対応を判断しなくてはならないような状況では、必要以上に緊張しがちです。

しかし、米国ミシガン大学の研究チームが行った調査によると、心配事の80%は起こらないとされています。起きるのは残り20%ですが、そのうちの8割は、あらかじめ準備して対応すれば、心配事にはいたらずに解決できるそうです。つまり、そのときにならないと手の打ちようのない「本当の心配事」は、全体の4%にすぎないのです。

このような数値を見ると、いかに私たちが、不要な心配や取り越し苦労をしているかがわかるでしょう。人生で起こることに対し、より正しい認識を持つだけでも、土壇場でテンパることは減るでしょう。

次に、典型的な「本番に弱い」タイプの人の思考習慣を見てみましょう。

週末に家族でドライブに行くとします。道に迷ったらどうしよう、途中でタイヤがパンクしたらどうしよう、ガソリンが足りなくなってガソリンスタンドが見つからなかったら、事故にあってしまったら……。心配事がたくさん思い浮かんで、なかなか寝付けず、ドライブ当日は寝不足でイライラしながら居眠り運転。その結果、心配していたとおりに事故を起こしてしまいかねません。

脳は、事実と想像の区別がつかないので、まだ起こっていない心配事について悩んでいても、今その心配事が起こっているかのような体の反応を引き起こします。心配性な思考習慣が、実際にネガティブな結果を招いてしまうのです。

先のデータが示すように、「心配事とは、ほとんど起こらないものなのだ」という正しい認識を持ち、心配事を想像するのではなく、ものごとを成し遂げた後の満たされた瞬間を想像しましょう。ドライブ先での楽しい情景や、楽しい時間を過ごして家に帰って家族で祝杯を挙げているところなどを、考えるのです。