局所麻酔でやる「目の手術!」というだけで恐怖のどん底

そんなこんなで5年間、先延ばしにしてきましたが、どうにも不自由になってきました。原稿にいくら目を近付けても文字が判読しにくくなってきたのです。でも、局所麻酔でやる「目の手術!」というだけで恐怖のどん底。こんな状態で目を酷使するせいか、持病の片頭痛も激しくなる一方です。

そこで知り合いの眼科医 である眼科篠原医院(東京・下井草)の篠原光太郎医師に今年の5月、「手術すべきか否か」を相談しました。結果から言えば、決死の覚悟で手術に挑み、3カ月たった今、わたしの目は……快調そのものです。

今秋、久しぶりに篠原医師に話を聞きました。

【鳥居】先生、その節は「手術が怖い! 手術に失敗して見えなくなったら、どうしよう?」と悩み相談をしてしまって、すみませんでした。

【篠原医師(以下、医師)】いや、誰でも怖いですよ、目の手術は。それが普通の感覚です。でも、白内障手術は基本的には安全な手術なので、日常生活に不自由を感じているのであれば、やったほうがよいと思います。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が劇的に変わりましたでしょ? 鳥居さんは、相当、不自由されていましたからね。このタイミングでよかったのではないでしょうか?

目の手術
写真=iStock.com/LuisPortugal
※写真はイメージです

【鳥居】コロナ禍での手術ということもあり迷いましたが、結局、不自由から解放されたいという思いが勝ったのは先生に勇気を頂いたことが大きかったです。「目の手術に恐怖を感じるのは当然ですが、悪い未来を考えるのではなく、手術をしたら、よく見えるようになって、日々の暮らしがもっと楽しくなるって考えましょうよ」って。それが、すごく心に響きました。

【医師】鳥居さんの場合、白内障に加え、角膜混濁と飛蚊症もお持ちとお聞きしました。その不快感が10であったとして、白内障手術で5が解消されたとしたら、不快感は半分になるわけです。そうであれば、踏み切られるほうがいいですよね。

ところで、術後3カ月経って、どうですか?

【鳥居】おかげさまで信じられないくらいよく見えます。飛蚊症や乱視までは完璧とは言わないですが、これは先生方にも「20代の目になるわけではない! あくまで実年齢なりの健康な見え方になるだけ!」と念押しされていたので想定内(笑)。今もドライアイのせいか、分厚いハードコンタクトを付けている錯覚に陥ることもあるのですが、遠くも近くもメガネなしで見えるなんて……。医学ってすごいなと。

【医師】それはよかったです。ドライアイはヒアルロン酸の点眼薬で症状を軽快することができるので、気になる時に点眼してください。鳥居さんは日帰りではなく入院を選ばれましたが、コロナ禍の中の入院手術はどうでした?