「必ず投票に行く」と答えた人は「56%」
そのためには、より多くの有権者が投票する必要がある。通常、投票率が低ければ低いほど、組織票の多い自民党や公明党が強くなる。反対に投票率が高くなると、野党に票を入れる有権者は増える。多数の国民の判断が働いてこそ、政権選択選挙だ。それが民主国家であり、民主主義である。
今回、問題の投票率はどうなるか。
過去の衆院選の投票率(小選挙区選)を調べてみると、2012年は「59.32%」、2014年が「52.66%」と、2回続けて戦後最低を更新した。2017年は選挙権年齢を18歳以上に引き下げた初の衆院選だったが、若者の投票が予想以上に少なく、「53.68%」と伸びなかった。
NHKが10月15日から3日間実施した世論調査では、「必ず投票に行く」と答えた人は「56%」だった。過去の例から分析すると、実際の投票率はこの数字より低くなる。自民党に反省を求めるためにも、多くの有権者が投票に参加し、民意をしっかり示すべきである。
いまの野党に日本を委ねるわけにはいかない
立憲民主党をはじめとする野党は、政権を握るにはまだ力不足だ。沖縄・普天間のアメリカ軍基地の県外移設を求めて日米関係を悪化させたり、福島の原発事故に右往左往したりと、旧民主党政権の杜撰さを思い出すと、旧民主党の党員が多い立憲民主党に日本の舵取りは任せられない。
立憲民主、日本共産、国民民主、れいわ新選組、社会民主の野党5党の共闘は、政権を勝ち取るための作戦としてはいいだろう。だが、実際に政権交代が実現した場合、根本の政治思想が異なる党同士が政策を立てて実行するというのは無理がある。
それゆえにいまの野党に日本を委ねるわけにはいかない。立憲民主党が政治力を付け、国民の信頼を得られる政党に生まれ変わる必要がある。
時間はかかるだろう。だが、それができれば、日本にイギリスやアメリカのような2大政党が誕生する。自民党と立憲民主党による2大政党制である。2つの党が交互に政権を取ることでお互いを補い、正しい方向に日本という国の軌道を修正できるのではないか。その結果、バランスのある政治が生まれる。これが沙鴎一歩の持論である。