③想像力に乏しいため、感謝報恩ができない

一人で生きている人はいません。人間という文字通り、誰もが「人の間」に生きています。

独り者、一人暮らしをしている人であっても、誰かに支えられて生きています。

けれども、そのことに気が付かず、自分は「誰の世話にもならずに生きている」と

勘違いしている人がいます。残念ながら、そのような人は、幸せになることができません。

「感謝」という、最高の喜びを得られないからです。

感謝できない人は、「俺は自分で稼いでいる」「私は自立して生きている」「何で誰かに感謝しなければいけないんだ」と思って生きています。

けれども、それは別に声高に威張るような立派なことではなく、普通のことです。

野良猫でも、野良犬でも、ドブネズミたちでも、ちゃんと自分でエサをとって生きています。

そして彼らも、誰かに感謝することはありません。

私たち人間は、動物たちよりも発達した、脳を持っています。

そこに豊かな想像力を持っています。その豊かな想像力をフルに働かせて考えてみてください。

私たちは、本当に自分の力だけで生きているでしょうか。

自分の力だけで、いまのこの、便利で豊かな生活を送れているのでしょうか。

例えば、今あなたが気持ちよくドライブしている、轍なく舗装された道路は、一体誰のお金によって作られたのでしょう。

税金です。そう、もちろんあなたも税金を払っておられるでしょう。

けれども、あなたがどんなに高額納税者であったとしても、あなただけの税金だけで、あなたが運転する道路の舗装をすべて行うことなど到底できません。多くの企業や、その他の大勢の人たちが、懸命に働き、納税しているおかげで、快適なドライブが楽しめるのです。

例えば、かつて生まれたばかりのあなたは、わずか3kg程度の小さな身体でした。それが今や、60kg、70kgもの立派な身体に成長しています。

その体重差、その体格差は一体どこから得たのでしょうか。

食べ物です。そう、あなたがこれまで食べてきた、たくさんの命から頂いたものです。お父さんでもなく、お母さんでもなく、多くの命を頂いて、骨肉を大きくしてきたのです。

あなたを幸せにする「ありがとう」という言葉

このように想像していったらキリがありません。

「自分一人で生きている」どころか、食べ物でも、服でも、携帯電話でも、何一つ、「自分一人で」作ったり、得たりしたものなど無いことが分かります。

感謝できないのは、知識や想像力に欠けているからです。

歴史や社会の仕組みを知り、想像力をもって、いまの便利で豊かな生活を享受できている背景を眺めるとき、そこには数え切れないほど多くの命や、数え切れないほど多くの人々の「おかげ」があることに気付きます。

誰かに親切にしてもらったとき「ありがとう」が言える人は、言葉が豊かです。

目に見えないことにまで、想像力を働かせて感謝できる人は、感性が豊かです。

「ありがとう」の文字
写真=iStock.com/:Hakase_
※写真はイメージです

「金を払ってるのに、なんで感謝しなきゃいけないんだ」という人は、幸せになれません。言葉も感性も乏しいからです。

「ありがとう」と言える人は幸せになります。

「ありがとう」が、それを受け取る者の心を潤すからです。

「ありがとう」が、それを発する者の心を浄化し、最高の喜びをもたらすからです。

幸せな思考で幸せな運命が開かれる

「幸せになれない人が共通してできていないこと」

その答えは、思考(ものの見方、考え方)にありました。

「思考」はスポーツと同じです。意識して練習すれば、できるようになります。

幸せな思考は、幸せな言動となって現れます。

幸せな言動が繰り返されれば、それは、幸せな習慣となります。

その幸せな習慣が、幸せな人格をつくり、その人格によって、幸せな運命が開かれていきます。

「幸せ」は外からやってくるものではありません。気付いて実践した結果、自分の内側に生じてくるものなのです。

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