和菓子特有の技術と、どこかなつかしさを感じさせる点が支持される理由のようだ。ちなみに、最近ではあずきバーを電子レンジで温め、ぜんざいとして楽しむ食べ方も人気だという。

新商品でも「イメージできる味」が好まれる

これまでの話をまとめると、ロングセラー商品の強さには、消費者の安定志向とメーカーの創意工夫が大きいことが分かる。過去の取材ではこんな声も聞いてきた。

「新商品開発時のフレーバー調査でも、斬新な味は支持されず、イメージできる味が支持されるケースが多いです」(複数のメーカーの声)

「消費者はどんどん変化する」の一方で、「人間の味覚は意外と保守的」という声もある。昭和・平成・令和と年号が変わっても、アイスの一番人気は「バニラ味」だ。

だが、その視点だけに甘んじてはいけないだろう。秋冬は濃厚なアイスが人気だが、メーカー各社も新たな商品開発に余念がない。

市場が好調なうちに、次の一手を考えるのは、ビジネスの常道だ。「ベテランを脅かす若手の出現」にも期待したい。

【関連記事】
メンタル不調のときにまず食べるべき最強で手軽な「うつぬけ食材」
「20代の4人に1人は、あえて飲まない」ビール離れに挑むアサヒビールの"新提案"
「なぜ朝カレーは体によくて、夜ラーメンはダメなのか」時間栄養学でわかった人体の不思議
「サイゼ、吉野家、コメダ」このうちコロナ禍でも業績好調なチェーンはどれか?
「世界で飲み放題が禁止されても、日本では生き残る」経営コンサルタントが予想するワケ