ダントツで人気の「超バニラ」
実は上位ブランドの顔ぶれは、長年ほぼ同じ。3ブランドの横顔を簡単に紹介したい。
「エッセルスーパーカップ」(明治)は、ブランド全体(定番3品+シリーズ品)で首位と圧倒的人気を誇る。同ブランドの大黒柱が「明治 エッセルスーパーカップ 超バニラ」だ。ブランド内の2位商品の約4倍、「超バニラ」が売れるという。
「超バニラ」のパッケージで誇らしげなのが、「バニラの王道」の6文字だ。2005年から掲げているが、実は同商品は種類別では「アイスクリーム」(乳成分15%以上、うち乳脂肪分8%以上)ではなく、「ラクトアイス」(乳成分3%以上、乳脂肪分は問わず)なのだ。
その商品が堂々と「王道」を主張するのが面白い。人気の秘密は競合も一目置く“バニラ感”で、発売時から「乳脂肪ではなく植物性脂肪13%と卵黄脂肪で旨みを出した」。当時の基本設計を今でも変えず、「安い・デカイ・ウマイ」を訴求し続けている。
チョコモナカジャンボ、ハーゲンダッツ好調の要因は?
ジャンボモナカは、「チョコモナカジャンボ」と「バニラモナカジャンボ」(森永製菓)の総称で、同社社内では「ジャンボグループ」と呼ばれる。
「チョコモナカジャンボ」は“単品で売り上げ首位”で、20年連続して販売金額も拡大中。人気の秘密はパリパリの食感で、中に入るチョコは板チョコではなく、液体を流し込み固めるなど、喫食時の口溶けにもこだわる。
「バニラモナカジャンボ」は2013年全国発売の新参だが、コロナ禍の2020年度も対前年比120%を記録し、伸長率では前者を上回った。バニラ味には、ほんの少し発酵乳を使うなど工夫を凝らし「さっぱりしているから毎日でも飽きない」という声も寄せられる。
長年、関ジャニ∞を起用したテレビCMでもおなじみで、「バニラモナカ」単独でも関ジャニのCMで訴求して以来、売れ行きに拍車がかかったという。
別枠1位「ハーゲンダッツ」人気を支えるのは「ミニカップ」と「クリスピーサンド」だ。
ミニカップの売れ行きトップ3は「バニラ」「ストロベリー」「グリーンティー」の順。この順位も長年変わらない。定番以外にさまざまな期間限定品で訴求し、今年の夏は期間限定で「濃苺(こいちご)」を出すなど、新作の味がSNSでも話題を呼ぶ。
今年で発売20年を迎えた「クリスピーサンド」も鉄板だ。こちらの一番人気は「ザ・キャラメル」。クリスピーサンド全体では「20年間で累計販売個数は約5億個」に達した。競合より高価格でも「奮発気分のハーゲンダッツ」と支持を集め、女性からの支持も高い。