公平な情報源は「複数の目で繰り返し検証」されている

もちろんネット上には、複数の目で検証を繰り返された公平な情報源もあります。この「複数の目で」「繰り返し検証される」点が公平な情報源のポイントです。

新型コロナワクチンの情報源でいえば、厚生労働省の「新型コロナワクチンQ&A」と日米の専門医有志が立ち上げた「こびナビ-COV-Navi」が参考になります。まずは、ここで情報を集めましょう。

厚生労働省の「新型コロナワクチンQ&A」
厚生労働省の「新型コロナワクチンQ&A

女性のみなさんは、日本産婦人科感染症学会が作成した「女性のみなさまへ 新型コロナウイルスワクチン(mRNAワクチン)Q&A」が参考になります。妊娠・出産だけではなく、授乳や生理への影響などの疑問への回答が載っているのでぜひ、一読してみてください。

子供たちの予防接種に関する情報は2019年に刊行された、森戸やすみ・宮原篤『小児科医パパとママのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)にも詳しい。
子供たちの予防接種に関する情報は2019年に刊行された、森戸やすみ・宮原篤『小児科医パパとママのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)にも詳しい。

お子さんの接種については、日本小児科学会の「新型コロナワクチン〜子どもならびに子どもに接する成人に対する考え方」に関するQ&Aに詳しい解説が掲載されています。このほか、新型コロナウイルスワクチンに限らず、ワクチンで感染予防ができる、子供たちの命に関わる病気(VPD)については「VPDを知って、子どもを守ろう」というサイトに詳しい情報があります。こちらも参考にしてください。

繰り返しになりますが、こうした公の機関や複数の専門医が運営するサイトの情報は、公開前に何人もの厳しい目で検証されています。忖度や容赦は一切ありません。また、公開された後も間違いが見つかったり、情報のアップデートがあるとすぐに訂正が入るので、常に最新かつ公平な情報を手に入れることができます。個人の体験談や意見を発信するSNSやYouTubeを見る前に、まず、公平な視点を手に入れてください。

欧米では、年齢に関わらず高い効果が認められている

公平な視点から、子供のワクチン接種について考えてみましょう。2021年8月末現在、12歳以上の子供が接種できるワクチンは、ファイザー/ビオンテック社製とモデルナ社製のmRNAワクチン2種類です。子供への接種が先行している欧米からの報告では、mRNAワクチンは年齢に関わらず、高い効果が認められています。

副反応も成人と同じように注射した部位の筋肉痛や熱がでますが、解熱剤などで対応が可能です。また、ひところ噂になっていた「新型コロナワクチンで不妊」という情報は、フェイク・ニュースであることがすでに明らかになっています(厚生労働省:ワクチンを接種することで不妊になるというのは本当ですか)。