※本稿は、南清貴『40歳からは食べてはいけない 病気になる食べもの』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
40歳を過ぎると「ノネナール」が皮膚に発生する
酸化した油、すなわち酸素がくっついた脂肪の分子は、過酸化脂質と呼ばれる毒性の強い物質になる。これが体内に摂り込まれると、活性酸素が発生して周囲の細胞をどんどん酸化させてしまう。
結果として血管や細胞の機能を損ない、破壊してしまうのだ。そうなると活性酸素は細胞内にも侵入し、核にあるDNAを傷つける。そうして細胞が変異すると癌細胞になるのだ。
身体にとって、活性酸素はそれほどの猛毒なのだが、ある程度は必要な物質でもある。正常な細胞を傷つけるという一面もある一方で、体内に入ってきた細菌やウイルスなどをやっつけて無害化してくれる一面もあるからだ。
もともと、呼吸をするだけで、取り込んだ酸素の2%から3%は活性酸素になると言われている。そのくらいの活性酸素は身体に必要なのだろうが、問題は、必要以上に大量に発生させてしまうことだ。
過酸化脂質を摂り込んで活性酸素が増えると、もともと体内に摂り込んであった脂質も酸化されてどんどん過酸化脂質の量も増え、さらに活性酸素も増えるという悪循環が発生する。身体が激しく老化してしまうのだ。
40歳を過ぎるあたりからは、酸化に対する抵抗力が低下し始めるので、体内で過酸化脂質が増えるとノネナールという物質が皮膚に発生することも知られている。これが、加齢臭の原因物質と言われているのだ。
加齢臭は自分では気付きにくいのだが、周囲の人は不快な思いをしていることが多い。ビジネスのうえでもこれを放置しておくのは問題だ。しかしそれ以上に、生死に関わる重大な現象だということは認識しておいた方がよい。
「飲み会後に締めのラーメン」は厳禁
加齢臭がするということは、身体の酸化が相当進んでいるということで、それだけ危機的な状態になっているサインなのだ。それは癌だけでなく、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病予備軍となっている可能性が高いことを示す。深刻に受け止め、すぐさま対処しなければならない事態なのだ。
加齢臭を発生させないようにするには、食習慣を変えるしかない。
まずは、動物性タンパク質、そして動物性脂肪をなるべく摂らないようにすることだ。さらに重要なのは、身体の酸化を食い止めてくれる抗酸化物質を多く含む食べもの、つまり野菜を積極的に食べることだ。
加齢臭に影響がある習慣として、ついでに喫煙とラーメンについても触れておく。