大山は会社を上場させる気はない。

最優先にするのはアイリスオーヤマをもっといい会社にすること。社員を幸せにすることだ。彼自身はぜいたくをせず、毎朝30分のウォーキングと趣味のクラシックを聴くくらいだ。

だが、考えてみれば大豪邸を構え、ワインのコレクションを持つといったお金持ち定番の楽しみを追求するよりも、彼の方が金の使い方を知っている。

大山は金を持とうと思えば、すぐに持てる立場にいる。しかし、わざとそれをしない。現金や宝物よりも、自らが望む生活、自らの考えの方が価値があると思っているからだ。財物より形而上けいじじょう(形を持っていないもの)の価値に重きを置いている。

リーダーの役割は「リスクを取ること」

大山が語る経営とはこうだ。

野地秩嘉『あなたの心に火をつける超一流たちの「決断の瞬間」ストーリー』(ワニブックス)
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「本質的に考える。次に長期的、多面的に考える。長期的とは、会社が将来進む道をビジョンで示すこと。多面的とは、競合や環境変化に目を配ることです。(略)競合情報を共有し、自社の強みや革新性を分析・判断しないと、井の中の蛙で、痛い目に遭います。

こうした思考は高学歴な人ほど得意かもしれませんが、現実を見ると、起業家に高学歴な人は少ない。その理由は彼らは学ぶことは得意でも、実践することは苦手な人が多いからです。しかも知識が豊富なため、リスクが取れない。過去の成功事例・失敗事例を学びすぎたことで、リスクに過度に反応し、それを克服しようとしないのです。

(略)リーダーが確固たる意志を持って、周囲に率先して行動するのです」

本質的にはリーダーの役割はリスクを取ることだ。商品の当たり外れ、経営施策に効果があったかどうかはやってみなくてはわからない。計画するのがリーダーではなく、リスクを取って実行するのが経営者だ。

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