公認会計士 高校3年生で取得 星 絵里香さん

「公認会計士の資格取得に必要なのは、“根性”です」

現在、上智大学経済学部3年生の星絵里香さんは、中学3年で簿記2級に合格、高校3年(18歳)で、平均合格率10%といわれる難関の公認会計士試験に合格した。2018年に合格した女性としては最年少で、2000年生まれ初の合格者。おそらく女子高生としては初の合格者と思われる。

勉強がつらいときは「何年もやってきたから戻れない」という気持ちでやった。「嫌になったときは、BUMP OF CHICKENの『sailing day』を聴いて、鼓舞していました」
勉強がつらいときは「何年もやってきたから戻れない」という気持ちでやった。「嫌になったときは、BUMP OF CHICKENの『sailing day』を聴いて、鼓舞していました」

会計に関心を持ったきっかけは中学の部活。「商業高校を前身とする中高一貫校なので、『簿記部』があったんです。よくわからないまま友達に誘われて入ったんですが、最初はつまらなくて、部活ではずっと寝てました(笑)」

何の気なしに簿記3級を受験したところ、あっさり落ちた。「それが、すごく悔しかったんです」。勉強して再度受験しようと、簿記部で公認会計士の予備校講師が開催する対策講座に出て、おもしろさに目覚めた。「簿記は、言葉は違っても世界中で同じルール。貸借対照表などの左右の数字が一致するのも美しい。『こんな仕組みを考えた人ってすごい』と思いました」

中学2年で簿記3級、3年で難関の2級に合格。そこで、部活に来ていた予備校講師から、「せっかくだから公認会計士を目指したらどうか」と勧められた。公認会計士は、待遇がいいだけでなく女性が働き続けやすいと聞いた。そこで高校入学と同時に予備校にも入り、本格的に勉強を開始した。

高校生活は多忙を極めた。スケジュールに、授業や学校の試験勉強、大好きな演劇部の活動、公認会計士試験の勉強をパズルのようにはめ込む日々。平日は予備校で2〜4時間、休みの日は7時間ほど勉強した。「高校生って学校にいる時間が長いので、社会人と同じくらい資格の勉強をする時間が取りにくい。時間管理が大変でした」

活用したのはスマホの時間管理アプリだ。「試験は6科目あるんですが、まんべんなく勉強しているつもりでも偏りが出てしまう。しかも、苦手科目ほど勉強が短くなりがちなんです。アプリで科目ごとに勉強時間を記録すると、偏りが一目でわかるし、達成感も生まれてモチベーションにもなります」

会計というと、数学の素養が必要なイメージがあるが、実際は「試験では電卓を使うし、勉強は暗記が中心。『文系科目』です」という。

黄色い線は苦手なところ、赤い書き込みは毎回間違えるところなど、ノートは使わず予備校の教科書に色分けして書き込みをする形で勉強した。
黄色い線は直前期に見返すところ、赤い書き込みは毎回間違えるところなど、ノートは使わず予備校の教科書に色分けして書き込みをする形で勉強した。

「合格に必要なものは?」と聞くと「根性ですね」ときっぱり。「科目が多く、勉強量は多いですが、まじめにやれば時間はかかっても必ず受かる類の試験だと思います。予備校の先生も、『“あきらめなければ”いつか必ず受かる』と断言していました」

現在YouTubeで、試験対策や、会計について解説する動画も発信している。「会計っておもしろいのに、知られていないのが残念。もっと会計を知ってほしい」と語る。将来の夢は、大好きなもの2つを組み合わせた。

「演劇が大好きですが、私はそれほど才能がないと思ったんです。だから将来は、演劇を会計や経営の面で支えるコンサルタントになりたいんです」

(撮影=増田岳二)
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