※本稿は、本田健『20代にとって大切な17のこと』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
どんな人も「ダメダメな自分」とは向き合いたくない
誰しも失敗はしたくないし、がっかりしたくありません。うまくいっていないところを見たくないし、向き合いたくないものです。模試を受けたり、お金がいくらあるのか調べてみたり、ダイエットする前に体重計に乗ってみたりするのは、どれも気が重い作業です。
なぜかと言うと、「自分はダメな人間だ」と思いたくないからです。
「成績が悪い自分」「志望校には受からなそうな自分」「お金のない自分」「ダイエットできない自分」「いつも時間に遅れがちな自分」を認めるのはつらいものです。
そんな自分について、友人が悪口を言っていると聞いたとき、世界がガラガラと崩れ落ちそうな気持ちになったことが今までにあるでしょう。
人に悪く思われたくない。できれば、「いい人だ」「あの人はできる」と思われたいと誰もが考えます。でも、「そうじゃないんじゃないか」という疑いが、なんとも言えない苦しさを感じさせるのです。
じつは自分がどれだけダメなのかを、誰よりも自分が知っているから、ということもあります。それで、つい、いい人を演じたり、本当はやりたくないことを引き受けたり、面倒な飲み会やパーティーなどに顔を出したりするのです。
でも、そういうことをしたら、ダメな自分がいなくなるかというと、相変わらず、「ダメな自分」は、あなたの中にいます。どれだけ友達やまわりにいい顔をしても、それでダメな面を解消できることはありません。完璧になれるわけではないのです。でも、その事実を認めてしまえば、たちまち明日への希望は打ち砕かれてしまいます。
「ダメな自分」にできることなんて何もない、と考えるしかなくなります。それで、そういう部分から、できるだけ目をそらしているのです。