「前代未聞の選択」BTCがエルサルバドルの法定通貨に
中米の小国エルサルバドルで6月9日、暗号資産であるビットコイン(BTC)を法定通貨にする決定が下された。このニュースを市場は好感し、同日の終値は3万7332.2ドルと前日から12%近くも急騰した。
今後エルサルバドルでは、90日後の法制化を受けてビットコインの利用が開始される予定だ。とはいえビットコインが「唯一」の法定通貨になるわけではなく、従来の法定通貨である米ドルも引き続き利用することができる。
エルサルバドルには独自通貨としてコロンが2001年まで利用されていたが、現在は流通しておらず、米ドルが法定通貨として利用されている。
このように信用力が高い外国通貨を自国の法定通貨にする政策は「公式的なドル化」と呼ばれる。今回の決定で、エルサルバドルは「公式的な暗号資産化」という前代未聞の選択をしたことになる。
投資マネーを呼び込むギャンブル的な決断
ブケレ大統領はビットコインを法定通貨にした理由として、金融包摂(貧困層にまで金融サービスのアクセスを広げること)の推進を挙げている。
エルサルバドルでは銀行でのサービスを受けることができる国民は、人口の3割程度とされている。銀行に口座を持たずとも金融サービスを享受できるビットコインのメリットを活用したいというわけだ。