新型コロナの終息は「気持ち」次第

政府分科会の尾身茂会長は、2021年3月の参議院予算委員会で次のように発言している。

「今年の冬からさらに1年ほどがたてば、このウイルスに対する不安感や恐怖心が、だんだんと季節性インフルエンザのような形になっていくと考えている。多くの人がインフルエンザと同じような気持ちを持ったときが、いわば終息のような感じになるのではないか」

要するに「新型コロナの終息は、人々のお気持ち次第」と言い放ったわけだ。

厚生労働省が発表したデータ(新型コロナウイルス感染症の国内発生動向:2021年5月26日18時時点)を見ると、日本におけるコロナの死亡者数は全体で1万775人となっている。そのうち、10代以下は0人(0%)、20代は7人(0.06%)だから、「感染したとしても若者は滅多に死なない」という認識は、決して間違っていない。対して、70代以上は9529人(88.4%)であり、60代以上も含めると1万320人(95.8%)となる。つまり、コロナで亡くなっている人の大多数は高齢者なのだが、私はこれを「寿命」と捉えてもいいと思っている。

五輪は「国民総洗脳状態」を脱する絶好機

いずれにせよ、私がかねて主張している「新型コロナにビビりすぎるばかりに、未来ある若者の貴重な成長機会が犠牲にされたり、働き盛りの現役世代が満足に仕事に取り組めなくなったりするなんて、バカげている」という持論を変えるつもりはない。そして、このウイルスになぜ多くの人がビビってしまったかといえば、五輪反対派の皆様が過度に危機感を煽ったことも多分に影響していると考えている。

そんな、国民が総洗脳状態に陥っているような現状を打開する好機として、東京五輪を捉えてみてはどうだろう。日本の金メダルラッシュが、日本人の「お気持ち」を劇的に変えてくれるかもしれない。もっとも、反対派はどんな展開になろうと、コロナに関する悪い材料を必死になって探すに違いない。実にあまのじゃくな行動様式である。

最後に、日本代表として東京五輪に参加する選手の皆さんに提案したいことがある。見事、メダルを獲得した暁には、番組行脚などをする場面で「そういえば○○さん、五輪開催に反対していましたよね? いま、本気で私のことを祝福してくれていますか?」と、司会者やコメンテーターに対してチクリと皮肉を言ってみてはどうだろう。アスリートとして真摯に練習に励んできたあなたのことを、それとなく軽んじるような発言を彼らは重ねてきたのだ。嫌味のひとつくらい言ってもバチは当たらない。

高確率で期待できる日本人選手の金メダルラッシュは、「とにかく悪い材料を探す」ことに躍起になってきた「コロナ、ヤバ過ぎ」派の日常をぶち壊してくれる可能性がある。それでも世間の風が変わらなかったら、いよいよ日本人の集団ヒステリーも末期症状。閉塞感に包まれた暮らしが、これから何年も続くことになるだろう。

そうなれば「一生マスク生活」なんて暗黒社会も、決して絵空事ではなくなってくる。

【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」
・東京五輪は、新型コロナウイルスを過度に恐れて閉塞感に覆われている日本社会の空気を変える、絶好機と捉えるべき。
・五輪反対を叫んできたメディアやSNS上の発信者たちが、開幕後にどのような言動を見せるか、ぜひ注視しておこう。
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