具体的には、わたしは同じTシャツをそれぞれ10枚以上揃えています。そして、仕事の場合は朝からいっさい迷いたくないので、前もってコーディネートしておき、「それを着て行く」と決めています。逆に、プライベートでは「今日はなにを着ようかな」と迷うことをあえて楽しむようにしています。

「自己決定感」とは、「自分でコントロールできる」ということ。変えられないものを変えようとするのではなく、自分で伸ばせる部分に集中することが大切なのです。

幸福感は「自分で決めたかどうか」が重要

「自己決定感」についてもう少し説明すると、いま世界中の研究者が、「なにが人の幸福感に影響を与えているのか」を研究しています。

もちろん、幸せの感じ方は人それぞれですが、一般的な指標としては、所得や学歴、健康や人間関係などが大きな影響を与える要素として考えられます。そして、神戸大学の西村和雄氏らの調査によると、「自己決定度」が、所得や学歴よりも主観的幸福感に強い影響を与えていることがわかりました。要するに、進学や就職の結果よりも、その進路を「自分の意思で決めたかどうか」のほうが、幸福感にとって重要だということです。

すると、「自己決定」の力を高めていけば幸福感が高まり、自ずと自己肯定感も上がっていくことになります。

木漏れ日に手を伸ばす
写真=iStock.com/AH86
※写真はイメージです

そこでわたしは、とくに夜の習慣として、「スリー・グッド・シングス」という方法をすすめています。やり方はとても簡単。ノートやメモ帳に「今日よかったこと」を3つ書き出すだけです。

「今日の打ち合わせはうまくいって、みんながまとまった気がする」「移動中に空を見上げたら、目を見張るような爽やかな青色だった」というように、できれば手書きでその日の「いいこと(グッド・シングス)探し」をしてみましょう。

つまり、「いいこと探し」をはじめる脳の癖をつくっていくのです。慣れてくれば、「明日は新しい案件を提案してそれが認められる」というように、未来に起こしたいことも加えるとさらにいいでしょう。