人生には想定外の苦難や失敗がつきものだ。そのとき落ち込んで立ち直れない人と、ニコニコしていられる人がいる。なにが違うのか。心理カウンセラーの中島輝さんは「幸福感は、物事を自分で決めたかどうかに左右される場合が多い。自己肯定感を高める前に『自己決定感』を高めることが大切だ」という――。

※本稿は、『Study Hack! 最速で「本当に使えるビジネススキル」を手に入れる』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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落ち込む時ほど明るい場所がいい

日中を調子よくすごしていても、夕暮れどきになり1日の終わりが近づいてくると気分が落ち込んだり、休日の終わりに憂うつになったりする人はたくさんいます。また、夕方は気温の変化が大きく、心身のバランスも崩れがちに。

人間は無意識のうちに、暗いところへ行くと不快な状態になり、明るいところへ行くと「快」の状態を呼び覚ますといわれています。そこで、落ち込みがちなときは思い切って「明るい場所」へ、つまりショッピングモールなどのにぎやかで明るい場所へ出かけることをおすすめします。

なぜ明るいところへ行くと、自己肯定感が高まるといえるのでしょうか。まず、内分泌の観点からいうと、日没に向けて精神を安定させる作用がある神経伝達物質「セロトニン」の分泌が少なくなり、これが抑うつ的な状態を引き起こすことがあります。

また、自律神経は交感神経と副交感神経のバランスがいいことで適切な状態に保たれますが、車でいうとブレーキの役割を果たす副交感神経が夕方以降に優位になることで、自律神経のバランスが乱れがちになります。そして、そこに1日の疲労が重なると、気持ちが落ち込んでしまうことがあるのです。

そんなときに、交感神経を高めてくれる明るくてにぎやかな場所へ行くと、落ち込んだり、不必要に自信を失ったりするようなことは減っていくはずです。

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このように、自己肯定感が下がりがちになる条件を前もって知っておくと、それをうまく避けることができます。夕暮れどきに落ち込むのは、なにかダメなことがあったからではなく、「副交感神経が優位になっただけ」なのです。

たしかに、気分が落ち込むきっかけはあるのかもしれませんが、それが特定の時間や条件で強まるのなら、そこにはやはり人間の特性が関係しています。そこで、落ち込んだときに「いまは副交感神経が優位になっているんだ」と思えれば、すぐに対処することができます。

ほかにも、自己肯定感を高める夜の習慣として、わたしは、「明日着る服を決めておく」習慣を守っています。なぜなら、朝から着る服を迷っていると、「自己決定感」がどんどん下がり、それに伴って自己肯定感も下がって1日が台無しになりかねないからです。