脳が「いいこと」を勝手に探すようになる

人間の脳は、同じことを繰り返すと、ニューロン間のネットワークが刺激されて癖が強くなっていきます。この性質のために、「スリー・グッド・シングス」を続けていくと、脳は「いいこと」を勝手に探すようになります。すると、1日の出来事に期待感を持てるようになり、「今日はいいことがあった」「明日もいいことが起きるはずだ」と、潜在的な思考が書き換えられていくのです。同時に、感情のコントロールもしやすくなっていくことで、自己肯定感が高まっていきます。

わたしたち人間には防衛本能があるため、不安、心配、恐れといった感情をどうしても繰り返してしまいます。6万回思考をすると、そのうちの4万5000回は不安や恐れなどネガティブなことを考えるともいわれるほどです。「あそこに行けば水が飲める」と思っても、「敵が現れるかもしれない」「道がとおれないかもしれない」「水が汚れているかもしれない」と考えるのは、人間が生き延びるために必要だったからです。

しかし、現代人はそんな思考がいき過ぎないように、意識して自己肯定感を高めなければ、なかなか幸せにはなれません。もちろん、大袈裟に考える必要はなく、手帳に二重丸(今日はよくやった!)をつけるだけでもいいのです。

そんな「小さな習慣」が、あなたの人生を少しずつ変えていくはずです。

睡眠は「長ければいい」は違う?

自己肯定感が高い状態で1日を終えるときに、最後に大切になるのは、やはり「睡眠」の質です。十分な睡眠を取ると、脳のメンテナンスができます。睡眠には、成長ホルモンを分泌して心身を修復したり、日中に経験・学習したことを脳に定着させて記憶の整理をしたりする働きがあるためです。

目覚まし時計の置いてあるベッドサイド
写真=iStock.com/yipengge
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そして、自己肯定感は脳の状態と密接に関連しているので、脳の疲れを取る睡眠は、自己肯定感の維持に欠かすことができません。つまり、睡眠不足になると自己肯定感が低下し、ものごとをネガティブに考えることしかできなくなっていくのです。

ただし、どのくらいの睡眠を取れば自己肯定感が高まるかは、人それぞれ。そこで、わたしは「自分の適切な睡眠時間」を知ることをおすすめしています。難しく考えることはなく、朝起きたときに自分が「いちばん爽快な時間」を知っておきましょう。