日本はラッキーだ。自国のすぐ隣に成功例がある
実際、彼女が「こんなふうにできないか」と提案すると、オードリーたちハッカーは即座に「それはいい、すぐやってみよう」と作業を進め、あっという間にひな形ができる。
すると別のハッカーが「いや、こっちのやり方のほうがいい」と違うアイデアを出し、「じゃあ、とりあえずやり比べてみよう」と動き出す。そんな試行錯誤の連続だったという。
そもそも、政府が推進する法案について、ネット上のプラットフォームに国民も参加してもらい、政府とともに議論していこうという試みは、世界のどの国も行ったことのないチャレンジだった。それゆえ、毎回みんなでアイデアを出し合い、いちいちトライしていくしか方法がなかったのだ。
その点、日本はラッキーだ。自国のすぐ隣に成功例がある。デジタル庁の発足とともに、デジタル革命の推進が期待されている。異国の文化やシステムを取り入れ、自分たちが使いやすいように改良するのは、日本が得意とする“お家芸”だ。台湾の例が参考になるのは、間違いない。あとはそれを誰が、どう生かすかだ。