こうした事情もあり、親子3人での話し合いでは、「ハリー王子と王室との距離感をどう保つか(あるいは離れるか)」がトピックとして浮上していたと予想される。

女王の誕生日前にまさかの帰国

ところが、ファミリーの和解が実現すると思った矢先に予想外の出来事が起きた。フィリップ殿下の葬儀から1週間後に控えた女王の誕生日を前に、ハリー王子は米国へ帰ってしまったのだ。

ハリー王子はもともと、葬儀が終わった翌日にも自宅のあるロサンジェルスへ戻る予定を立てていたようだ。だが、女王が誕生日を21日に迎えることから、英国滞在を延長することとなった。

ところが、どんな心変わりがあったのか、それとも米国で用事でもあったのか。女王の誕生日の前日である20日、ロンドン・ヒースロー空港から飛行機に飛び乗り、さっさとメーガン妃が待つ家へと帰ってしまった。

ヒースロー空港のターミナル
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女王は誕生日のメッセージとして、自身が95歳を迎えたことの喜びよりも、「殿下の葬儀に対する英国民、そして全世界の人々への厚情に感謝する」と述べ、70年以上にわたる殿下との暮らしが途切れたことへの悲しみは癒えていないことを感じさせた。

孫のひとりとして、女王にいたわりの声をかけるのが人としてあるべき姿だと思うが、それをあえて前日に英国から引き上げるという格好は「王室への不愉快さを行動で示した」と言えなくもない。

皇太子「王になったら夫妻を切る」

王室メンバーは、多数の公務を抱える一方で、王室自体のスリム化を図る必要に迫られている。これは他ならぬ、公金を使った王室への支出を食い止めるのが最大の目的だ。

そうした中、王位継承順位第1位のチャールズ皇太子は葬式前後のさまざまな経緯を通して、大きな決断を行ったようだ。自身が王位を継承したら、「ハリー&メーガン夫妻を王室から切る」意向があるという。夫妻が米国でさまざまな事業を行い、ビジネスに勤しむ中、英国民により支払われている血税をこれ以上ハリー王子一家に注ぎ込むことは許されないとの判断が立ったと予想できよう。

父であるチャールズ皇太子の決断により、ハリー王子はついに米企業が与えた新たな仕事「CHIMPO」を全うする必要が出てきたわけだ。「CHIMPO」とは、王子が米コーチング専門企業「BetterUp」から与えられたチーフ・インパクト・オフィサー(Chief Impact Officer)という肩書きの略称だ。ただ、その音感の「日本語での意味」は全世界が知ることとなり、奇妙な形でミソが付いている。