会社が「各クラスに求めていること」とは何か?

では、一般的な目安とされている「年収基準」を公開します。ここで紹介されているコンピテンシー=評価基準は、社員2000名の上場企業から社員3名のベンチャー企業まで成長しているさまざまな会社で実際に導入・運用されているものです。

チーフや主任といった等級や職位の呼称は会社によって異なりますが、呼称が違っても、昇格するごとに求められる行動は、どんな会社もほぼ変わりません。

また、会社の特性によってクラスごとに求めるコンピテンシーが異なる場合もあります。たとえば「うちは採用時から『主体的な行動』を求める」「もっと下のクラスから『進捗管理』が必要」などですが、基本的な考え方は共通しています。

まずは、現在の自分のクラスに求められているスキルや行動は何か、そして今後必要となるのはどんなことかを確認してください。

現在の自分に求められていること、これから求められることが認識できれば、年収を高める方法や成長ステップの指標になるはずです。

ちなみにコンピテンシーは年収を上げるうえで「欠かせないもの」であり、他のクラスのコンピテンシーが必要ないわけではありません。

たとえば、現在は「課長」であっても、課長クラスに求められるコンピテンシーだけを達成すれば評価されるわけではありません。

当然、その前段階である「自己完遂クラス」「チーフクラス」等のコンピテンシーも求められ、できて当然とされます。

自己確認の意味でも「補助・育成クラス」から順を追ってチェックしていきましょう。

補助・育成クラス(新人)

年収基準=240万~(成果による加算=30万)

求められる仕事のレベル

指示されたことを指示に基づき業務を遂行できることが求められます。結果がわかっている仕事、手順が明確なことをきちんとできるようになることが重要です。

身につけておきたいビジネスの基本知識・スキル

素直で元気、勤怠に信頼性があるなど、ビジネスパーソンとしての基本を身につけること。

年収アップのポイント

手順は同じでも、ちょっとした工夫で顧客や周囲が喜ぶポイントを見つけて実行するなど。それによって社内外から認められるチャンスにつながります。

補助・育成クラス(新人)に求められること
※西尾 太『アフターコロナの年収基準』(アルファポリス)より